2025/02/28 23:10
アートの世界に飛び出して気が付けば25年が経とうとしている。
最良ではないし最短ではないが、たくさんの人に出会い恵まれここまで来れた事は大きな感謝と小さな誇りだ。
どんな世界かも分からず踏み出した世界。
おぼろげながらこの世界の輪郭を表現出来る気がするので、今思う事を記そうと思う。
アートの世界に正解はない。
故に間違いもない。
人それぞれ美しいと思うものは違う。
そんな感性の「自由」に憧れと無限の夢を見る。
しかし真の自由とは孤独である事を知る。
どこへでも、どこまでも行ける。
それは果てしない希望と同時に果てしない絶望を抱く。
どこまで行っても終わりのない世界。
真っ暗な海に一隻の小舟を浮かべ、オールの代わりに鉛筆と筆を持つ。
どこが海でどこが夜空なのか、僕はどこへ行けば良いのか分からず恐怖と孤独で途方に暮れる。
しかし時間と共に目が少しずつ慣れてくる。
空を見上げると最初は気が付かなかった星がある事に気付く。
それは先人達が残した光だ。
無数に輝く光は道標。
かつて航海士が星や月の明かりを座標に未だ見ぬ地を目指したように、先人達の残した光を頼りに終わりなき世界を旅する。
その先にどんな世界があるのか。
たゆたえど沈まず。
テンペラや銅版画、古くから脈々と続く技法に触れる時そんな世界を思うのだ。
いつか橋を渡る時、そんな星空の小さな小さな一つになれたなら幸せだっと言えるのだろう。